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お盆の準備はいつからすれば良いの?お供え物やマナーを詳しく解説

コラム
お盆の準備はいつからすれば良いの?お供え物やマナーを詳しく解説

お盆の準備についてご存知でしょうか?

「何となくわかるけど、全部は分からない」

「必要なお供物に何があるの?」

そんなふうに思われている人も多いのではないでしょうか。お盆はご先祖様を大切にする大事な期間です。

本記事では、どのような準備が必要なのか、お盆の正確な時期はいつなのかなど詳しく解説します。この後お盆の準備を始める方や来年以降しっかりと準備したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

そもそもお盆とはなに?

お盆とは、日本の伝統的な仏教行事で、ご先祖様の霊を迎え、供養するための期間です。毎年8月13日から16日までの4日間行われます。

お盆がある意味として、ご先祖様の霊を供養し、感謝の気持ちを伝えることなどがあります。仏教の教えに基づき、故人の霊が一時的に現世に戻ってくると信じられているため、家族が心を込めて供養することで、ご先祖様の霊が安心して帰れるようにと願います。

また、お盆は家族が集まる貴重な機会でもあります。地元を離れた家族が故郷に帰省し、家族全員が揃って先祖を供養することで、家族のつながりを再確認できます。また、日本の伝統的な行事として、毎年決まった時期に家族が集まることでつながりが途絶えることなく、何世代にも渡ってつないでいくことができます。

他にも、家族内だけでなく地域のつながりを発展させることもできます。お盆期間中には、盆踊りや地域の祭りが行われ、地域全体で先祖を供養するという風習があります。これにより、地域内でのつながりが高まります。地域の伝統行事を通じて、若い世代に文化や歴史を伝える役割にもなるのです。

お盆の行事は、ご先祖様への感謝と敬意を表すとともに、家族や地域のつながりを大事にするための大切な行事です。伝統的な儀式を通じて、ご先祖様とのつながりや、次の世代に続く文化・価値観を受け継いでいくことができます。

旧盆と新盆と月遅れ盆について

お盆は、地域によって3つの時期があります。呼び方としては、新盆、旧盆、月遅れ盆と呼ばれます。

ポイント
・新盆  :7月13日から15日(16日)
・旧盆  :8月13日から15日(16日)
・月遅れ盆:8月13日から15日(16日)

新盆(あらぼん)とは、新暦に合わせて1ヶ月早くお盆を迎えるお盆のことです。その年に亡くなった方の四十九日をすぎてから迎える新盆とは別物になるので注意しましょう。

旧盆(きゅうぼん)とは、旧暦に基づいて行われるお盆のことです。旧暦では、明治改暦以前の8月13日から8月15日(16日)に行われます。そのため、改暦以後の現在のカレンダーだと時期が異なります。現在の暦でいうと主に8月中旬にあたることや、農繁期を避ける意味もあり、ほとんどの地域で8月15日に行われています。

月遅れ盆(つきおくれぼん)は、旧盆と異なり明治改暦以後の新暦に合わせるため、8月13日から15日、あるいは16日に行われます。つまり、現在のカレンダー通りに行うということです。多くの地域で行われており、日本全国で広く実施されています。月遅れ盆の期間中には、迎え火や送り火、盆踊り、仏壇への供え物など、さまざまな行事が行われます。特に迎え火と送り火は、ご先祖様の霊を迎え入れ、送り出す重要な儀式です。

お盆の準備はいつから?

お盆を迎えるにあたってさまざまな準備が必要です。ここでは、必要な準備を期間ごとに解説します。

1ヶ月前

まず、1ヶ月前にはお盆の全体的な計画を立てることが重要です。お盆の期間中に必要な準備をリストアップし、親戚や家族との連絡を取り、帰省やお盆行事の予定を確認します。また、仏壇や仏具の掃除を始める良いタイミングです。仏壇や仏具の状態を確認し、必要な供物や仏具(ろうそく、線香、提灯など)の在庫をチェックして、不足しているものをリストアップしておきましょう。

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2週間前

お盆の2週間前には、具体的な買い出しを始めます。特に保存がきく物(お菓子やろうそく、線香など)はこの時期に揃えておくと便利です。また、仏花や生花もこの時期に注文しておくと良いでしょう。この時期には、仏壇や仏具の本格的な掃除も行い、家全体の大掃除も並行して行うことで、清潔な状態でご先祖様の霊を迎える準備を整えます。

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1週間前

お盆の1週間前になると、細かい準備に入ります。仏壇に飾るための新しい提灯や飾り物を準備し、お盆の期間中に使う食材(乾物や調味料など)もこの時期に買い揃えます。また、親戚や家族との再確認を行い、集合時間や場所の最終調整をします。供養の際に必要な僧侶の手配がある場合は、この時点で再確認しておくと安心です。

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前日

お盆の前日には、最終的な準備を行います。生花や生鮮食品(果物、野菜、お菓子など)を買い揃え、仏壇に供えるための新鮮な供物を準備します。また、仏壇にお供物を供え、飾り付けを行います。この日の夕方には迎え火や提灯の準備を整え、ご先祖様の霊を迎え入れる準備を万全にします。

お盆の準備を計画的に進めておくことで当日までスムーズに行うことができます。1ヶ月前から少しずつ準備を始め、最終的には迎え火の日までにすべての準備が整うように心掛けましょう。しっかりと準備をしておくことで、ご先祖様を大切に供養できます。

お盆のお供え物に必要なもの

お盆はご先祖様の霊を供養し、感謝の気持ちやつながりを大切にする大切な行事です。そのため、さまざまな意味を持つお供え物があります。以下、お盆にお供えをする物を一覧で解説します。

お盆のお供え物に必要なもの

お線香

お線香は、仏壇に供える基本的な供物の一つです。お線香を焚くことで、清らかな香りが漂い、場が浄化されるとともに、ご先祖様の霊に対する敬意と感謝の気持ちを表します。また、お線香は仏様の食事やご先祖様と会話をする時間などの意味も持ちます。そのため、お線香を立てる際は、仏壇の前で静かに手を合わせ、心を込めて供えることが大切です。

お盆の期間中には、仏壇に生花を供えます。菊やユリ、リンドウなどが一般的ですが、故人が好きだった花を供えるのもよいでしょう。生花は、仏壇を華やかに彩り、清らかな雰囲気を作り出します。ご先祖様にお花を楽しんでもらったり、心穏やかに過ごしてもらったりするためという意味を持ちます。花立てに生けて、毎日水を替えることを心がけておきましょう。

ろうそく

ろうそくの火は、ご先祖様の霊を導くための光とされています。お盆にはご先祖様が現世へ帰ってくるため、その時の目印や道しるべとして灯りを灯します。また、目印や道しるべとなるろうそくの火を灯し、静かに手を合わせることで、霊とのつながりを感じることができます。ただし、火の取り扱いには十分注意し、消し忘れのないようにしましょう。

浄水

浄水(じょうすい)は、ご先祖様の霊に捧げる清らかな水です。一般的に仏様やご先祖様は喉が渇くと言われているため、浄水を供えることで仏様やご先祖様の喉を潤すことができます。そのため、毎日新鮮な水を用意し、清潔な器に入れて仏壇に供えることが大切です。

浄飯

浄飯(じょうはん)は、浄水とともに供える白いご飯のことです。炊きたてのご飯を小さな器に盛り、仏壇に供えます。浄飯は、仏様やご先祖様が召し上がる食事として、大切に扱います。

精霊馬・精霊牛

精霊馬(しょうりょううま)と精霊牛(しょうりょううし)は、ご先祖様の霊がこの世に来るための乗り物とされています。きゅうりで作る馬は足が速く、ナスで作る牛は帰りをゆっくりとする意味があります。また、精霊馬は自宅の内側を向くように、精霊牛は自宅から外側を向くようにおきます。竹串や割り箸を使って作り、仏壇に飾ります。

盆提灯

盆提灯(ぼんちょうちん)は、ご先祖様の霊を迎え入れるための目印となる灯りです。家の外や仏壇の周りに飾り、霊を導きます。盆提灯の光は、家族の心の温かさを象徴し、ご先祖様を迎える準備を整えます。

ほおずき

ほおずきは、提灯に似た形状から「鬼灯(おにび)」とも呼ばれ、盆提灯と同じくご先祖様を導く灯りの象徴とされています。鮮やかな赤色の実を仏壇や玄関に飾り、ご先祖様が迷わずに帰って来られるようにします。また、ほおずきの中は空洞になっており、お盆の間はほおずきの中にご先祖様の魂を宿らせるという考えもあります。

水の子

水の子(みずのこ)は、精進料理の一つで、小さな団子や野菜を水に浮かべたものです。これは、ご先祖様以外の霊をもてなす意味を持ちます。仏壇に小さな器に入れて供え、霊が安らかに過ごせるよう願います。

閼伽水

閼伽水(あかみず)は、特に浄水の中でも神聖な水とされ、仏前に供えられる清らかな水です。閼伽水を供えることで、ご先祖様の霊を浄化し、安らかにする効果があるとされています。また、穢れを払う水という意味も持っています。閼伽水は毎日新鮮な水を用意し、丁寧に供えます。

お盆のお供え物は、ご先祖様の霊を供養し、感謝の気持ちを伝えるために欠かせないものです。お線香、花、ろうそく、浄水、浄飯、精霊馬・精霊牛、盆提灯、ほおずき、水の子、閼伽水といった供物を用意し、心を込めて供えることで、ご先祖様への敬意と感謝の気持ちを表しましょう。それぞれの供物には深い意味があり、丁寧に準備することで、お盆の行事をより意義深いものにできます。

お盆の期間にするべきこと

お盆の期間には、しておくべきことがいくつかあります。ここではその中でも重要となる3つの内容について解説します。

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送り火・迎え火

送り火と迎え火は、お盆に行う習慣の中でも特に重要なものです。迎え火は、ご先祖様を家に迎えるための行為であり、送り火は、ご先祖様を再び彼岸に送り返すためのものです。この二つの儀式は、毎年7月13日から16日(地域によっては8月13日から16日)にかけて行われます。

迎え火は、7月13日(または8月13日)に行われます。お盆の初日であるこの日に家の門や玄関先で火を焚きます。この火は、藁や麻の茎、松明などを用いて作られることが一般的です。迎え火を焚くことで、ご先祖様が迷わずに家に戻ってくることができると信じられています。また、この火は家族が手を合わせてご先祖様を迎える場でもあります。

送り火は、お盆の最終日である7月16日(または8月16日)に行われます。この日は、ご先祖様を再びあの世に送り返すために、迎え火と同様に火を焚きます。送り火の火は、ご先祖様が無事に彼岸へ戻れるよう導くためのものです。送り火を焚くことで、ご先祖様に対する感謝と敬意を示し、来年も無事に戻ってくることを願います。

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お盆飾り

お盆の期間には、ご先祖様を迎え入れ、供養するために「お盆飾り」を行います。お盆飾りは、地域や家庭によって異なるものの、多くの共通要素があり、伝統的な習慣として広く行われています。お盆飾りには、主に精霊棚(しょうりょうだな)、迎え火、供え物などが含まれます。

まず、お盆飾りの中心となるのが精霊棚です。精霊棚は、ご先祖様が滞在する場所として設けられます。棚の上には、位牌や仏壇の代わりとなるものを置き、故人の写真や名前を書いた札も飾ります。また、花や灯明、線香、果物、お菓子などの供え物を並べます。これらの供え物は、ご先祖様が生前に好きだったものを選ぶことが一般的です。精霊棚を美しく飾ることで、ご先祖様を敬い、迎え入れる気持ちを表現します。

お盆の飾りの一環として、茄子や胡瓜を使った馬と牛の飾りも重要な要素です。精霊馬・精霊牛でも解説したように茄子は牛を、胡瓜は馬を象徴し、それぞれ足として割り箸や爪楊枝を挿して形作ります。これらの飾り物は、ご先祖様が馬に乗って早く戻って来られるように、また牛に乗ってゆっくり帰って行かれるようにとの願いが込められています。馬は速く、ご先祖様ができるだけ早く家に戻れるように、牛はゆっくり、ご先祖様がゆっくりとあの世に帰ることができるようにという意味を持ちます。

また、盆提灯もお盆飾りの重要な要素です。盆提灯は、家の中や外に飾り、灯りをともしておきます。この灯りがご先祖様にとって目印となり、家までの道を照らしてくれるとされています。盆提灯には様々な種類があり、紙製のものや布製のもの、電気を使ったものなどがあります。特に、家紋や名前が入った提灯を用意することもあります。

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お参り

お盆の期間中にお参りを行うことは、日本の伝統的な慣習であり、ご先祖様を敬い、供養するための大切な行為です。

まず、盆入りと呼ばれる8月13日には、迎え火を焚いてご先祖様を家に迎え入れる準備をします。この日からお盆の行事が本格的に始まり、家族全員で仏壇の前に集まり、線香をあげ、お経を唱えます。仏壇には、ご先祖様の位牌や遺影が飾られ、花や果物、お菓子などが供えられます。これらの供物は、故人が生前に好んでいたものを選び、ご先祖様への感謝と敬意を込めて捧げます。

次に、お盆の期間中にはお墓参りも行います。お墓参りは、お盆の初日か中日に行うことが一般的です。家族全員で墓地に赴き、墓石を掃除し、花を供えます。墓石の清掃は、ご先祖様に対する敬意を示すとともに、自分たちの心を清める意味も持っています。墓前では線香を焚き、手を合わせて祈り、ご先祖様に感謝の意を表します。

お盆の中日である8月14日と15日は、家族や親族が集まり、共に時間を過ごすことが多いです。この期間中にも、仏壇の前での礼拝を続け、線香を絶やさないようにします。また、一部の地域では盆踊りが行われることもあります。盆踊りは、ご先祖様を慰め、ともに楽しむための行事であり、地域の人々が集まり、踊りを楽しむことでご先祖様を供養します。

お盆の最終日である8月16日には、送り火を焚いてご先祖様を再びあの世に送り出します。送り火は、迎え火と同様に家の前や門の前で行われ、藁や松明を燃やして焚かれます。送り火を行うことで、ご先祖様が迷わずにあの世へ戻れるようにと願います。この日もまた、家族全員で仏壇の前に集まり、最後のお参りをします。

お盆に必要な最低限のマナー

お盆はご先祖様を大切にする大事な行事ですが、その中にもさまざまなマナーがあります。ここでは、基本的なマナーについて4つご紹介します。

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仏壇やお墓の掃除をする

お盆に入る前には、仏壇やお墓の掃除を丁寧に行います。仏壇の掃除は、埃を払い、仏具をきれいに磨くことから始めます。仏壇の前に座り、故人やご先祖様を思いながら心を込めて掃除しましょう。

お墓参りの際には、草むしりや落ち葉の掃除、墓石の拭き掃除を行い、清潔に保ちます。特にお盆は暑い時期なので、水を撒いて涼しさを感じられるようにすることも大切です。掃除を通じて、ご先祖様への感謝の気持ちを表し、快適に過ごしてもらうことが重要です。

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迎え火を焚いてご先祖様をお迎えする

迎え火はお盆の始まりに行われる重要な行事で、ご先祖様を家に迎え入れるための火を焚きます。通常はお盆の初日に行われ、玄関先や庭先で小さな火を灯します。この火を焚くことでご先祖様が迷わず家に帰ってこれるように導きます。火を灯す際には、しっかりとご先祖様をお迎えする気持ちを持って合掌しましょう。

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お供え物に白い掛紙をかける

お盆の期間中、仏壇やお墓に供えるお供え物には、白い掛紙をかけるのが一般的です。白い掛紙は清浄さを象徴し、ご先祖様への敬意と感謝の気持ちを表します。お供え物としては、季節の果物や野菜、故人が好きだった食べ物などが選ばれます。

また、親戚宅や知り合いの家にお邪魔する際の菓子折りや果物にのし紙をつけず、白い掛紙をかけるのが一般的なマナーです。

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送り火を焚いてご先祖様をお見送りする

送り火は、お盆の最終日に行う行事で、ご先祖様を再びあの世へ送り返すために火を焚きます。迎え火と同様に、おがらや松明などを使い、玄関先や庭先で火を灯します。送り火を焚くことで、ご先祖様が迷わず帰ることができるように導くとされています。火を焚く際には、ご先祖様に対する感謝とお別れの気持ちを込め、合掌しましよう。

通常の日常とは少し違い、マナーを間違えてしまう可能性もあります。事前にどのようなマナーが必要なのか、詳しく調べてご先祖様を気持ちよくお迎えからお見送りができるようにしましょう。

準備は計画的に行いましょう

本記事では、お盆の準備をするタイミングや必要なもの、お盆の期間にするべきことなどを詳しく解説しました。

お盆にしっかりと準備をしておくことで、先祖を気持ちよく迎えられるだけでなく、迎える側としても家族や先祖とのつながりを大切にできます。ただし、迎える準備にはさまざまな内容があり、直前になってから関連するもの全てを準備することは難しいです。そのため、早めに計画を立て準備をしておくことで、直前になってから慌てることもなく、気持ちよく先祖を迎えることができます。

年に一度現世に帰ってくる先祖を大切にする儀式として、しっかりと準備を行い万全の状態でお盆を迎えられるようにしましょう。


監修者

海庵

僧侶でもあり、何度でもお墓の引っ越しができる「納骨堂転葬サービス」の会社、株式会社徳禅庵代表の海庵誠二です。お墓や終活、遺産整理に関するお役立ち情報を発信しております。


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