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終活のやり方は?今から身辺整理を始めるメリットや断捨離のコツを紹介

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終活のやり方は?今から身辺整理を始めるメリットや断捨離のコツを紹介

50代になり、終活として「身辺整理を始めよう」と思ったものの、なにから始めたらいいのか分からない方は多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、終活で身辺整理をするメリットや始め方、注意点などを紹介します。

読み進めて頂ければ、身辺整理や片付けのやり方を理解して、スムーズに身辺整理を始められるはずです。正しく進めて家族の負担や自分自身の不安を減らし、今後の人生を豊かに送りましょう。

終活における身辺整理とは?

終活をする際の身辺整理とは、自分の死後に家族に負担をかけないように生前のうちに必要なもの、不必要なものを判断して整理することです。対象となるのは、モノに限らず自分の財産やデジタル資産、銀行口座などがあり、人間関係も含まれます。

「ミニマリスト」「断捨離」と同じように不用品を捨てて、必要最低限のものしか残さないと捉えている方もいるかもしれません。しかし、捨てること自体が大切なのではなく、身の回りの環境を整理することを重視しているため、自分や家族が大切にしているものなどは残しておきます。

その他、死後の家族へエンディングノートをまとめたり、財産目録や遺言書を用意したりすることも身辺整理では大切です。

身辺整理は、自分の残された時間と向き合う行為でもあるため、身辺整理を行って自分の大切な時間をどう過ごすか考えてみましょう。

終活で身辺整理を行うメリット

身辺整理を行うと、残される家族の負担を減らせることはもちろん、自分自身の残りの人生を穏やかに過ごせるメリットがあります。

ここでは、身辺整理を行う際のメリットについて3つほど解説します。

メリット

残された家族の負担を軽減できる

身辺整理を行うことで、自分が亡くなった後の家族の負担を減らすことが出来ます。

もし、あなたが亡くなったとき遺品整理を行うのは、基本的に残された家族です。遺品整理には、少なからず時間や労力が必要なため、身辺整理をしっかりしておけば家族の苦労を減らせるでしょう。

また、家族が遠方などの理由で遺品整理する時間が取れない場合は、専門業者に外注する手段もありますが、処理代や人件費で多額の費用が必要になるため金銭的な負担がかかってしまいます。

時間や労力、費用の面で家族の負担を減らせるなどのメリットがあるので、体力がある早いうちから身辺整理を始めておくと安心です。

今後の人生を前向きに送れる

身辺整理では、残された人生の不安を減らし前向きに人生を送れるメリットがあります。

終活の身辺整理にはモノを整理すること以外に、遺産相続や人間関係も対象です。遺産相続では、財産情報を財産目録やエンディングノートに記載しておき、家族と共有しておきましょう。残された家族が財産の状況をすぐに把握でき、あなたが亡くなった後に財産を整理しやすくなります。

身辺整理として遺言書も作成しておけば、家族間でトラブルが起きないかなど不安にならずに過ごせます。

快適な生活を過ごしやすい

終活の身辺整理をすると、家の中や気持ちがすっきりするので快適に残りの人生を過ごしやすくなります。自分を客観的に振り返るきっかけにもなり、今後の人生に必要なものを再確認できる可能性があります。

また、不用品を整理すると家が広くなり、介護が必要になった場合でも車椅子移動や介護ベッドの設置が容易にできるなど将来的なバリアフリー化もしやすいです。例えば、掃除が楽になったり片づけや探し物が少なくなったりするなど、ものが減ることで快適になります。

今後の人生を快適に過ごせるよう、できることから進めていきましょう。

身辺整理を始めるタイミングはいつ?

終活の身辺整理を始めやすいタイミングはいくつかあります。

終活をする際は「今から終活を始めよう」と思った段階ですぐに行動するのがベストです。しかし、行動するには何かきっかけがあったほうが始めやすいのも確かです。

そこで、終活の身辺整理を始めやすいタイミングを4つ紹介しますので参考にしてください。

年末や季節の変わり目

年末や季節の変わり目は、身辺整理を始めるきっかけになります。

この時期には大掃除や衣替えなど、終活に関係なく整理したり処分したりするので、大掃除などと一緒に身辺整理として不要なものを選別しやすいです。また、年末には家族が帰省しますので、身辺整理を始めることを話したり今後のことを相談したりもできるでしょう。

年末や季節の変わり目に、身辺整理も意識して作業するとすっきりと新しい気持ちでスタートをきることができます。

引っ越しやリフォームを検討した

引っ越しやリフォームを考えているときも、身辺整理を始めやすいです。

実際に引っ越しやリフォームする際の荷造りの段階で、必要なもの・不必要なものをスムーズに仕分けやすくなります。また、間取りや収納など、新しい住環境に合わせて整理するため、目標を定めやすいこともあり、お勧めです。

定年退職で時間ができたとき

定年退職後は、終活の身辺整理を進めやすいタイミングです。

定年退職を新たなスタートラインとして捉え、仕事など一区切りして余暇が増えたタイミングで身辺整理を始める方は多いです。また、退職してすぐなら体力や気力があることも始めやすい要因でしょう。

                                  

仕事に追われていた生活から変わるため、自分の今後の人生についてあらためて考えるきっかけにもなります。

子供が独立したとき

子供が独立すると、生活する人数が減るため生活環境が大きく変わります。

子供が独立してから身辺整理を始めた場合、家族が減った分不用なものを整理しやすくなります。また、空いた子供部屋を必要な物の保管スペースとして有効活用するのも可能です。

ただし、子供の私物や思い出の品などを安易に処分するとトラブルになるため、子供と話し合いながら整理しましょう。

身辺整理を上手く進めるポイント

終活の身辺整理をスムーズするためには、ポイントをおさえて進めることが大切です。「とにかく始めてみる」という気持ちも大事ですが、思うように進まないとやる気が下がってしまう可能性もあります。

進め方が分かれば、何からやっていけばいいのか明確にできるので効率的に作業を進められます。

身辺整理を上手に進めるためのポイントをまとめたので参考にしてみてください。

チェック

何を身辺整理するかリストアップする

始めに、大まかでもいいので身辺整理するものをリストアップしましょう。

身辺整理は、やみくもに始めても何から手を付けていいか分からず、手間や時間だけがかかってしまうためです。身辺整理する項目をリスト化したら、それぞれの項目に優先順位を決めておきます。もし、ひとりではリスト化や優先順位を決められないなら、家族に協力してもらうことも視野にいれましょう。一人で悩むよりもスムーズに作業できますし、家族とも内容を共有しながら進められます。

チェック

期間を定めておく

いつまでに整理するか、いつまでに処分するかなど期間を定めておきましょう。

身辺整理はじっくりと行って行くものですが、期間を設けないとダラダラと作業してしまうかもしれないので、ある程度の期間を設定しておくと効率的です。例えば、「リストの○○と○○の項目は1か月程度でする」などと決めておけば期間を逆算して進めやすいでしょう。

そのほか、処分に迷うものは数か月間は保留して一回も利用しなかったら捨てるなど、ルールを決めると気持ちの整理もつきやすいです。とはいえ、期間にこだわって処分を急いでしまうと、大切なモノまで捨ててしまい後悔する可能性もあるため時間に余裕をもって作業をしましょう。

チェック

エンディングノートを活用する

身辺整理する項目をまとめるなら、エンディングノートの活用がおすすめです。

エンディングノートとは自分の老後や死後に向けて、家族に伝えたいことや家族に共有する個人情報を自由に記載するノートを指します。

エンディングノートに書く内容は、以下のような項目です。

例

  • 家族への思い 
  • 葬儀や墓の希望 
  • 財産リスト 
  • 契約会社名・連絡先 
  • 相続財産の意思
  • 有料サービスなどの契約状況
  • SNSやアプリのパスワード
  • 余生でやりたいこと 

契約しているサービスや資産などをエンディングノートに記載しておけば、残された家族が解約手続きや資産の把握をする際にスムーズです。

また、家族や友人への感謝や自分の人生を振り返る「自分史」としても活用できるため、終活の一環で作っておくと良いでしょう。何から書けばいいか分からないという悩みがある方は、市販のエンディングノートや専用アプリなどを使ってみると書きやすいです。ただし、どちらの場合も家族が内容を閲覧できるように、保管場所やアプリの閲覧方法などを共有しておくことが重要です。

チェック

遺言書を作っておく

残った財産の相続についてどうするかなど、自身の意思を伝えるために遺言書を作成しておきましょう。財産の分配など、自身の希望を遺言書に残しておけば残された家族の相続トラブルが少なくなります。

遺言状には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類あり、法律で定められた項目や形式があります。いずれも、条件を満たしていない場合は無効になるため、弁護士や司法書士、法務省の公証役場などに相談して作成するのがおすすめです。

チェック

不用品を処分する

身辺整理において、不用品の処分は時間を要する作業です。

サイズの合わない服や靴、ボロボロになったタオルや使えなくなった筆記用具など使わないものは迷わず捨てていきましょう。ただし、なんでも捨てる必要はなく、生活に必要なものは仕分けて分かりやすい場所に置くなど整理しておきます。仕分ける中で、家具家電などの処分が難しいものや、骨董品や貴金属、アクセサリー類などの金銭的に価値のあるものを処分する必要が出るかもしれません。

家具家電などはリサイクルショップや買取サービス、金銭的な価値のあるものは買取業者に持っていくか主張買取などのサービスを利用して処分しましょう。

身辺整理しておきたい5つのこと

終活で身辺整理をしておきたいこととして、以下の項目があります。

ポイント
・財産
・SNSなどのデジタルデータ
・有料サービスの解約
・身の回りの持ち物
・人間関係

身辺整理しておくのはものだけではなく、財産やデータ、人間関係なども整理しておきましょう。

ここでは、それぞれ整理する内容について紹介します。

財産

終活の身辺整理の中でも財産を整理しておくのは重要です。

例として、以下のような財産があります。

例

  • 不動産
  • 銀行口座
  • 証券口座
  • 自動車
  • 生命保険
  • クレジットカード
  • 借入金(住宅ローンなど)

財産を整理することで、持っている資産の扱いや相続の計画を立てやすくなり、家族の負担や手間を大幅に減らせます。

もしものときに備えて、銀行口座・証券口座なら口座情報、不動産や生命保険などは契約書の場所を家族に伝えておくか分かるように記しておきましょう。

また、借入金などの借金も財産として計算するので、家族が把握できるようにしておく必要があります。

財産を整理するのは、家族への負担を減らすことはもちろん、自分自身も把握することで安心に繋がるため大切な行動といえます。

SNSなどのデジタル遺産

終活の身辺整理ではスマートフォンに保存しているデータや、SNSのアカウントなども整理しておきます。

デジタルデータにはプライベートな情報もありますので、以下の例にあげたデータなどは整理しておきましょう。

例

  • SNSのアカウント
  • スマートフォン内の写真や動画
  • インターネットの検索履歴
  • PC・スマートフォン内のアプリ
  • メールアドレスなどの連絡先
  • ネット銀行やネット証券の口座

SNSアカウントは、亡くなった後の扱いを家族に話しておきましょう。

SNSによっては死後や一定期間ログインしなかった場合に自動でアカウントを削除できるサービスもあるため、それを利用するのもひとつです。また、パソコンやスマートフォン内の情報については、見られたくないものがあればあらかじめ削除しておくのがおすすめです。

デジタルデータの整理は、多くの情報がある現代においては重要といえます。

有料サービスの解約

継続的に払っている有料サービスを洗い出し、契約状況を整理する必要があります。

有料サービスは、以下のようなものです。

例

  • 公共料金
  • 新聞
  • インターネット回線
  • サブスク
  • 習い事

もし、あなたが亡くなった場合でも支払いが続く可能性があり、残された家族が知らないうちにお金を払い続けることになります。例えば、エンディングノートに支払っているサービスや契約の状況を残しておけば、家族も把握しやすく、解約手続きがスムーズです。

有料サービスを洗い出してみると、無駄に払っているサービスが見つかり資金に余裕ができるかもしれないので、早めにまとめることをお勧めします。

身の回りの持ち物

終活の身辺整理では、自分の身の回りのものを整理・処分するのが大切です。

何かのコレクションなど、自分では価値を感じていても家族から見たら価値のないため処分の手間がかかるため、家族に残さないものは勇気を持って処分しましょう。その中で、大型の家具家電などが発生したら処分が大変になるため、専門の会社に依頼するなどして処分するのがスムーズです。専門の会社だと、その場で査定してくれるサービスなどもあります。会社によって金額が大きく変わる場合もあるため、依頼をするなら何社かに見積もりをお願いして、検討してみましょう。

自分の身の回りの持ち物とはいえ、労力のかかることなので家族に協力してもらいながら選別するのも効率的です。

人間関係

人間関係も、身辺整理ではやっておきたい項目です。

これまで、家族、友人、ビジネス関係の人など様々な人と人間関係を築いてきたと思います。しかし、その中には表面的な付き合いなど自分本意ではない関係もあるでしょう。身辺整理として、自身の人間関係を整理すると、疎遠になっていた友人と交友関係を再構築できたり、ストレスのある関係を絶てたりなど充実した日々を過ごしやすくなります。

残りの人生で誰に会いたいか、誰と関係を持っていたいかを考えて、その人と大切な時間を過ごしましょう。

すぐに断捨離しないほうがいいもの

身辺整理では、すぐに断捨離するとトラブルや後悔に繋がるものがあります。

自分の判断だけで捨てる前に、家族や周りに相談が必要な場合もあるため意識しておきましょう。

その例として、すぐに断捨離しないほうがいいものを3つ解説します。

断捨離しないほうがいいもの

配偶者や家族の所有物

配偶者の所有物を勝手に捨てると、夫婦間や家族間でのトラブルに発展するかもしれません。自分はいらないと思っていても、ほかの家族からすると大切にしているものや今後必要なものの可能性があるからです。もし、家族の所有物を処分してすっきりしたと思っても、家族がまた買いなおして結局片付かないケースもあるため、家族に事前に話してから判断しましょう。

他人の所有物は思い入れがあまりなく捨てやすいかもしれませんが、まずは「自分」のものから整理するのが大事です。

代々受け継いできたもの

先祖代々、受け継いできたものがある場合は、自分一人の判断で容易に捨てないようにしましょう。自分では「生活に必要ないモノ」としてカウントして捨てようと考えるかもしれません。しかし、ほかの家族や親戚にとっては大切な可能性もあり、勝手に捨てるとトラブルに発展する恐れがあります。また、歴史的に価値があるものだったり、安物だと思っていたものが実はかなり価値の高いものだったりする場合もあります。

捨てる前に、自分自身で調べるか査定をお願いするなどして見るのも検討してみるのもいいでしょう。

思い出の品

思い出の品は身辺整理する中でも捨てるのが難しく、後悔しやすい傾向にあります。

思い切って捨てることも身辺整理では大事ですが、あとで捨てたことを後悔する可能性が高いです。また、写真などの場合は家族が捨てたくないケースも考えられます。もし、処分をする前に捨てる前に写真などのデータとして残しておけば、後悔する気持ちを軽減できるかもしれません。

捨てづらいのを承知で身辺整理する優先順位の後半に行うなど、考えておくと気持ちが楽になります。

身辺整理の際に確認しておきたい注意点

終活で身辺整理をする際には、意識しておくべき注意点がいくつかあります。

身辺整理は、時間や労力、費用に加え、気持ちの面でも負担がかかるため、自分で注意点を把握していないと負担がさらに増す結果になります。

ここでは、3点紹介するので、意識しながら身辺整理を進めましょう。

身辺整理の際に確認しておきたい注意点

気持ちが落ち込む場合がある

終活の身辺整理は、自分の死に向き合う行動なので人によっては気分が落ち込む可能性があります。

思い出の品を手に取る中で、「昔はこんなに楽しかったのに」という思いや、「あの時の選択は正しかったのか」など過去の自分に後悔することもあるでしょう。色々な情報や大切にしていたものを整理するため、自分の死をリアルに感じてしまい、場合によっては鬱っぽい気持ちになるかもしれません。

身辺整理は、今後の人生を前向きに過ごせるように行う行為でもあるので、根詰めずに気分が落ち込むときは作業しないなど自分のペースで進めましょう。

労力・時間や費用がかかる

自分で身辺整理をする際には、時間と労力が多くかかります。今までの自分の財産や持ち物を整理して、一つ一つ仕分けて行く必要があるからです。

例えば、本や衣類、家具家電などの処分はもちろんですが、銀行口座や有料サービスの解約など手続きの労力もあります。専門業者に委託する方法もありますが、その際は数万円から数十万円の費用が必要になります。

そのことを理解して、ひとりで大変だと感じたら家族に手助けを求めることも視野に入れましょう。

専門業者への依頼は悪質業者に注意する

身辺整理の専門業者へ依頼する際は、悪質な高額請求をしてくる業者に注意する必要があります。

見積りより多く請求してきたり、サービスと言いつつオプション費用として高額な請求をされるかもしれません。悪質な専門業者の被害にあわないよう、依頼の際には複数社から見積もりをもらって比較しましょう。お住まいの街によっては自治体や社会福祉協議会が開催する無料の終活セミナーも開催されているので、このようなセミナーに参加して知識を持っておくことも重要です。

また、「遺品整理士」や「一般廃棄物収集運搬許可証」などの資格や免許を保有している会社を選ぶのも安心材料のひとつです。

身辺整理はできることから始めよう

終活の身辺整理は、自分の所有しているものや財産、人間関係を整理して身の回りを快適にすることが目的です。早い段階から行えば、自分自身の不安を減らせるだけでなく、家族の不安や負担も軽くできます。

やるべきことをまとめておき、体力や気力がある早いうちから一つずつでも行っていきましょう。

身辺整理は、自分の今後の人生に役立つものなので、興味をもった今から始めてはいかがでしょうか。


監修者

海庵

僧侶でもあり、何度でもお墓の引っ越しができる「納骨堂転葬サービス」の会社、株式会社徳禅庵代表の海庵誠二です。お墓や終活、遺産整理に関するお役立ち情報を発信しております。


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